2017年に初代ポケトークが発売されてから早3年、ポケトークW・ポケトークSと次世代機も登場し、いずれも大ヒットを記録しました。ポケトークを開発・販売しているのがソースネクストという会社。筆王などのソフトウェアで名を馳せる会社ですが、ポケトークも自社で開発したものなのでしょうか?

 

ソースネクストより登場したポケトーク

2017年、双方向翻訳が可能な携帯翻訳機として登場したポケトーク。手のひらサイズに50言語をも収録した画期的な商品として、瞬く間に大ヒットを記録しました。そして2018年にポケトークWが、2019年にポケトークSが登場。対応言語が75言語に増えたうえ、シンプルな操作方法、見やすい画面。初代からさらにブラッシュアップされ、より使いやすい機種として登場したのです。

 

 

このポケトークを開発・販売しているのがソースネクストという会社です。年賀状制作ソフト「筆王」、メモ帳アプリ「Evernote」などでおなじみですよね。ですが強みを発揮していたのはソフトウェア面、ポケトークのようなハードウェア面ではあまり知られていませんでした。しかもいきなりIoT機器(機器本体にインターネット通信が付いたもの)で翻訳機業界を席巻したのですからビックリです。

 

もともと学習ソフトにも力を入れていましたから、翻訳機を手がけるということ自体は意外ではありません。ですが翻訳機そのものを発売するとなると意外な印象。このポケトークはソースネクストが独自で開発したものなのでしょうか?それとも別メーカーとの共同開発なのでしょうか?

 

初代ポケトークは共同開発だった

結論から言えば、ポケトークは初代が別会社との共同開発Wシリーズ・Sシリーズはソースネクストの独自開発となります。ソースネクストでは2000年ごろから翻訳機を発売するという構想がありました。しかし当時はそれを実現できるだけのノウハウがなく、販売までは至りませんでした。

 

しかし翻訳機の計画はずっと動き続けていました。その流れが変わったのが2017年春頃。ある社員が「面白いものがある」と言って見つけてきたのが、オランダのTravisというベンチャー企業の翻訳機。当時はまだ珍しかった双方向の翻訳機を開発しようと、クラウドファンディングを募っていました。

 

この話はソースネクスト社内でも話題となり、販売することを即決。すぐさまTravisとライセンス契約を締結。製品仕様を日本向けに変更し、2017年12月にはもう販売にこじつけたのです。なので初代ポケトークはTravisとの共同開発のようなものですね。

 

ポケトークWから自社開発に

2018年9月に発売されたポケトークW、2019年12月に発売されたポケトークS、こちらはソースネクストが独自開発したものになります。工場こそ中国にありますが、デザイン・機能・販売まですべてを自社で手掛けているのです。

 

 

初代ポケトークは発売前から予約が殺到するほど、大ヒット商品となりました。しかしいざ使ってみると、画面が小さくて見づらかったり、操作がわかりづらかったり。いろいろな課題が見つかっていったのです。

 

そしてこれらの課題を見直し、よりブラッシュアップさせたのがポケトークWとなります。大きな画面、直感的な操作。さらに対応言語も20ほど増え、パワーアップして帰ってきたのです。初代ポケトーク発売からポケトークWが発売するまでなんと9か月(2017年12月→2018年9月)。このスピード感で次世代機が発売できたのも、ソースネクストが自社で一貫して手がけていたからでしょう。

 

そしてさらにソースネクストが得意とする学習機能も充実させたのが、ポケトークSになります。WシリーズもSシリーズも、自社生産でなければ実現できなかった機能もたくさんあったことでしょう。ポケトークを知れば知るほど、ソースネクストのこだわりが見えてきますね。